2017年02月15日

君の名は。 Another side:Earthbound

 映画で端折られた部分を書いているようです。 瀧、テッシー、四葉、 三葉の父 各人の視点で描いたスピンオフでしょうか。 これを読んでから三回目の映画に行きましたが、エピソードのカットが少しだけ挟まってたり、ネタが背景に映り込んでいたりしていたので、それを発見するのは楽しかったです。

 小説のネタばれはないのですが、映画のネタバレはあります。ご注意を。

 この本全体に言えるのですが、驚くような新たな発見はありませんでした。 敢えて言えば映画で触れられていなかった三葉の父が町民を避難させた部分だけかなあ。 でも私なりに映画を見ながら理由付けしてたのでそれを超えるストーリーではなかったんです。

 でもやっぱり映画の世界を活字で再現できるのは楽しいですね。 この本買って良かったです。

 マイナス点はセクハラ描写というか、やたらオッパイの話が出てくること。第一話の瀧の話がもろにそれなんですが、三話の四葉にまでオッパイを絡めるとは! これで★一つ減点です。

 私的には第二話のテッシー、三話の四葉、四話の三葉の父の話がよかったです。

 一番好きなのはテッシーの第二話かな。 テッシーの父と三葉の父の政治的な癒着を嫌いながらも、将来は自動的に自分がやらざるを得ない。 責任感や義務感から、この町から逃れられない悲哀が描かれながらも、 自分ができることから、この町を変えていってやる!という前向きなテッシーがいいです。 ここでも、制服のスカートをまくり上げて日曜大工する瀧in三葉が出てきますが、セクハラネタ以外の瀧in三葉、テッシー、さやちんの会話を映画でも本でももっと見たかったなあ。

 第三話の四葉のお話は、二番目に好きです。 大人びた洞察力の四葉と、ちょっとぼんやりしてるけど怒るとコワイ。でも妹思いのやさしいお姉さん三葉の姉妹愛が描かれています。姉の記名入りアイスを食べてしまってから、気が付いて謝る四葉のエピソードとか、姉への妄想が暴走するのも姉のことを心配するが故なので、ほのぼのしていて微笑ましいです。 四葉のおっぱい触れエピソードだけはいらんかったけど。

 第四話、三葉と四葉の父の話。 母との結婚、町長になったいきさつなど、映画でも少し触れられていましたが、最初、三葉の町民を避難させて欲しいという願いを、 妄言だと言い捨てていたくせに、最後は避難させていた心境の変化が明らかになりました。 私は絶対父と母も入れ替わりの経験者なんだろう、と映画を見ている時思ったんですが、 残念ながらそれははずれてました。 でも想像を超えた理由ではなく、ふーん、そんなものですか?という感じでした。

 おそらく映画を見ていない人にも解るように、映画の中で語られていたセリフやシーンもあります。 映画とは異なるシチュエーションで語られていたセリフもありました。 映画の世界を思い出せる楽しい本です。


 過去記事ですが、二回目の君の名は。(ネタバレなし)↓
https://nanten505.seesaa.net/article/201701article_7.html



君の名は。 Another Side:Earthbound (角川スニーカー文庫)
KADOKAWA/角川書店
2016-07-30
加納 新太

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 君の名は。 Another Side:Earthbound (角川スニーカー文庫) の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル




にほんブログ村

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村
ラベル: 映画
posted by ひろん at 21:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月25日

二回目の君の名は。(ネタバレなし)

 ようやく二回目に行けました。初回は昨年の9月5日でした。早くいかなきゃロードショー終わっちゃうかも。と急いで見に行ったんですが、まさかこんなメガヒットになるとは思いもしませんでした。 初回を見た時に、二回目できたら新海さんの風景を味わいに行きたいなあと思ったのです。 三回目もできたらまた行きたいです。

 8月のロードショーの番宣で、新海さんの描く風景に一目惚れ。アニメは結構好きなんですが、この監督さんの作品は初めて。 たぶん写真をCG加工しているのでしょうが、幻想的だけどリアル、の調和とバランスが素晴らしく、美しいです。リアルにありそうで決してない美しさ。 世界がとてもキラキラしていて、この映画の帰り道、雪が降る雲の切れ間の青空がすごく美しく見えて感動しました。

 この映画は若者向けなのでかなり展開が速く、中盤にはジェットコースター的展開になり、時間軸もおかしくなるので初回は見ていて「えっ?えっ?」と混乱して頭痛がしました。 ストーリーはかなり強引な無茶ぶりとおかしな、展開や時間の流れなのですが、最終的にはまあ、SFなのねえ、と無理やり納得せざるを得ない結末。 途中のアレはなんだったのか? 私的にはキュンキュンできるラブストーリーを求めていたので、ハッピーエンドは良かったです。 このハッピーエンドのために、納得できない点は目をつぶりましょう。  この監督さんの少ないハッピーエンドの作品らしいですし。 キャラクターデザインも本当は好きなタイプの絵ではないのですが、まあ許せるレベルでしょうか。


 神木くんの瀧くんは本当にうまくて、彼以外の瀧君は考えられないほど。三葉が入っている時の声なんて、ちょっとオカマっぽいけど乙女していて可愛かったです。借りぐらしのアリエッティの時は、志田未来ちゃんが意外と上手だなーと思っていたのですが、翔役の神木君はまあ、フツーかな。と思って観ていました。病弱の静かな感情の起伏のない役だったからかもしれません。 今回は演技の幅も広がって成長しましたね~。
 
 Radwimpsの歌も良かったです。4曲はちょっと多いかな。 1曲外して説明不足のストーリー展開を入れてほしかった。夢灯篭要らなかったかな。オープニングの流れ星の映像とリリックな音楽の美しさ。前前前世で男女入れ替わりの物語がスタートする躍動感。リズムに合わせて信号が赤青黄と点滅するのもリアルでは変だけど、アニメならではの表現。 登場人物がリズムに合わせてテンポよく動くのも、アニメならではですね。エンディングも歌詞が本編とリンクして切なさをクライマックスにします。この3曲は素晴らしいです。

 なんかストーリー的にはハチャメチャでツッコミどころが余りにも多いので、あまり触れずにいきます。えーっと、泣けるか?というと、私も泣いてないし、周りにも泣いてる人いなかったように思うのですが。 美しい映像とテンポ良い会話と胸キュンのストーリーで幸せな映画でした。 ノベライズされてるみたいなので、これも読んでみたいです。これはアナザーサイドストーリーで、映画の原作を補完している部分があるみたいなので、これを読んで三度目もまた行っちゃおうかな。と思っています。

 前々回の、今の目標、という記事で、気持ち玉をいくつか頂くことができました。ブログを書くモチベーションが上がり、励みになります。ありがとうございました。

 
君の名は。 Another Side:Earthbound (角川スニーカー文庫)
KADOKAWA/角川書店
2016-07-30
加納 新太

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 君の名は。 Another Side:Earthbound (角川スニーカー文庫) の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル



こちらは映画に忠実みたいですね。


小説 君の名は。 (角川文庫)
KADOKAWA/メディアファクトリー
2016-06-18
新海 誠

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 小説 君の名は。 (角川文庫) の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル




にほんブログ村

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村

過去記事ですが、アニメ映画 この世界の片隅に (ネタバレなし) レビューです↓
https://nanten505.seesaa.net/article/201701article_4.html
ラベル: 映画
posted by ひろん at 21:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月14日

映画 この世界の片隅に (ネタバレなし)

 いい映画でした。ひたむきに逞しく、強く生きるヒロインが素晴らしいです。 幅広い年代の方におすすめします。 あからさまな反戦メッセージはないけど、戦争モノでした。予告を見てほんわかしたラブストーリーと勘違いして見に行ってしまったので★一つ減点します。帰ってからネットで予告をもう一度見ました。空襲シーンもちらっとあったんですが、やっぱり戦争モノとは思えない予告。 まあ、私のリサーチ不足なんですけど。 

 太平洋戦争中に、広島市内の江波から呉の家に嫁いだ女性 北條すずの話。 戦時中の大変な状況の中でも普通に笑顔で暮らしていた彼女たちの生活が、戦況が悪化するにつれ戦争の厳しさに影響されていく。戦争に運命を翻弄されても、周りの人たちに励まされながら、前を向いて普通の生活をしていく人々の様子が描かれる。

 前半の日常部分ではおっとりしたすずさんによる、クスッとした笑いを随所に織り込んでいて、期待通りのほのぼのストーリーでしたが、ひたひたと戦争の影が忍び寄ってくる。 物資不足にも知恵と工夫で楽しみながら乗り切っていくすずさんは本当に力強いです。 戦時中のリアルな市井の人々の日常シーンが細やかにリアルに、時代考証も完璧に描かれています。 たくさんの伏線が張り巡らされていて、ああ、これはあの時の・・・と納得できる。それらもとても楽しかったです。 米寿の父に見せてあげたいな。なつかしい風景だろうな。でも映画館に行くのも座って140分も、もうきついかな。
 
 中盤から後半の呉の空襲、広島の原爆、自分の楽しみを奪われ、ささやかな生活まで脅かされる。ショッキングな場面もあり、ラスト近くのあまりの空気の重さにいたたまれなくなってしまいました。 でも、ちょっとした希望と救いはあるラストです。
 
 ヒロインすずさんが玉音放送を聞いた後に、敗戦のくやしさと持っていき場のない感情を家族の前で絶叫するシーンがあるんですが、すごく共感できました。 私も絶叫こそ、しませんでしたが、涙したことがあるんです。

 2012年9月 当時民主党の野田政権が尖閣諸島を国有化する直前です。東京都が購入前の視察のための上陸を申請しているのに許可が下りず、中国の船が尖閣諸島の付近を頻繁に領海侵犯しているのをニュースで見た時には悔しくて泣きました。たぶん人々の無関心が一番悔しかったのです。 その後の中国各地の派手な反日デモで世論が高まったのが、私にとっては救いでした。

 たくさんの人々に絶賛されている、すずの声の、のんさんの演技は、彼女以外に考えられないほどよかったです。おっとりしているが時にはとても力強い、透明感のある声。 「うちは、ぼーっとしとるけえ」 が最初の口癖の、天然入ってる、すずさんや、戦争に大事なものを奪われるすずさんに、事務所に本名の能年玲奈を奪われたのんさんがオーバーラップします。 いい意味で素人っぽく、本職じゃないけど上手でした。

 泣けたか?というと、私は泣きませんでした。もっとお涙ちょうだい的に描くことができるシーンはいくつもあったのですが、物語は淡々と進んでいきます。 涙を期待して見に行った映画でなかったので、私的にはよかったです。

 過去記事ですが、映画 「聖(さとし)の青春」はこちらです。↓
https://nanten505.seesaa.net/article/201612article_4.html



k.blogmura.com/ranking.html" target="_blank">
にほんブログ村 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村

 

 
この世界の片隅に [Blu-ray]
バンダイビジュアル
2017-09-15

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト

ラベル:映画
posted by ひろん at 11:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。