2023年05月06日

サピエンス全史(1)ユヴァル・ノア・ハラリ

 読んでみたかった本ですが、マンガがあるのを知り、マンガを先に読んでみました。私の好きなNHK BSのドキュメンタリーヒューマニエンスで分かりやすく解説してくれていた知識がほとんどでした。まあ多分、番組の方がこの本にインスパイアされて作られているのでしょう。

 ヒューマニエンスの知識を分かりやすくテーマ別にまとめてくれている印象でしたが、私にとって意外な発見もいくつかありました。

 人類(サピエンスだけではない)が、火を使えるようになってからもしばらくは、絶滅スレスレの動物だったことです。15万年前の人の化石の歯と顎と頭蓋骨の大きさが、現代人とほぼ変わらないことで、火を使った調理のおかげで進化していたと推測される。でも15万年前の時点で、全人類の個体数の推測が約100万人、サピエンスはその十分の一の10万人だった。

 しかし7万年前に、サピエンスの認知能力に革命が起きた。おそらく脳の遺伝子に何か変化が起こったのだろう。他人といろんなことで協力できるコミュニケーション能力を手に入れた。そしてホモサピエンスはアフリカを出て、世界各地へ進出していった。

 ヒューマニエンスの番組で、7万年前、矢柄と継ぎ柄と矢じりをそれぞれ繋ぐのに、樹脂に顔料を混ぜた接着剤が使われていた。これは武器を作るための言葉がその時点で存在していた証明になる。

 弓矢という武器を手に入れたサピエンスは、狩りの能力が飛躍的に上がったので、アフリカを出ることが可能になったのではないでしょうか。そういった番組で得た知識がこのマンガに繋がっていくのが面白かったです。

 番組内でもマイルドに触れられていましたが、ユヴァル氏は、言語がそもそも、人のうわさ話を何時間もするために発達した、と主張していて、事実なら人類の性(サガ)って辛辣だなあ、と感じます。

 誰が信用できるかという確かな情報があれば、群れの規模を拡大できる。それでサピエンスは、より緊密で高度な協力関係を築けるようになったとのことです。それは信用できない人間の排除も、7万年前からあったということですね。 

 マンガの絵はフランス人の人が書いたらしく、タッチが粗く、外国の新聞の風刺画のようです。キャラクターが男か女か、性別もぱっと見でわからないキャラも多く、好みの絵柄ではありませんでしたが、脚本も練られていて、やはり文章より分かりやすい。

ヒューマニエンス 言葉 それがヒトの思考を生んだ
https://nanten505.seesaa.net/article/498204396.html

漫画 サピエンス全史 人類の誕生編 - ダヴィッド・ヴァンデルムーレン, ダニエル・カザナヴ, 安原和見, ユヴァル・ノア・ハラリ
漫画 サピエンス全史 人類の誕生編 - ダヴィッド・ヴァンデルムーレン, ダニエル・カザナヴ, 安原和見, ユヴァル・ノア・ハラリ


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posted by ひろん at 07:42| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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