どんな弊害があるのか。大きく「無言化」「孤立化」「実体験の減少」の三点を指摘できます。なかでも三つ目にあげた「実体験の減少」は特に危惧すべき減少だと思いますね。(抜粋 子どもが心配 養老孟司著より。 養老孟司と4人の識者の対談を編集したもの。高橋孝雄 慶応義塾大学医学部小児科主任教授が語った部分です。以下も引用)
分かりやすい例がコミュニユケーションです。ネットに関わっている時間が長くなると、人はどうしてもしゃべらなくなります。つまり「無言化」。また一人でいる時間が長くなります。つまり「孤立化」。そうして無意識のうちに仕事や日常から「実体験としてのコミュニケーション」が抜け落ちていく。それにもかかわらず、「コミュニケーションがとれている」と錯覚してしまう。そこがネットの一番怖い所です。
いまや多くの方がSNSなどを介して、無数の人々とバーチャル空間でつながっています。そして、コミュニケーションがとれていると「錯覚」している。
しかし、オンライン上のコミュニケーションは対面とは異なり、五感の全てを用いている訳ではありません。バーチャル空間の映像の相手に使っているのは視覚と聴覚、あとはチャットなどの場面でキーを打つときに感じる指先の触覚といったところでしょうか。
実体験としてのコミュニケーションは、特化した感覚が脳細胞そのものを直で刺激するようなものではないか。だとしたらバーチャル空間では、人間の閾値(いきち)も異常な事態で、うすら寒い心持ちすら覚えます。こうした状況を放置しておくと、私たちの五感がいつしか麻痺していく気がするんです。(引用終わり)
子どもに限らず、大人も同様なのですが、子どもの方が弊害が大きそうです。
子どもが心配 人として大事な三つの力 (PHP新書) - 養老 孟司
過去記事は、ネット学習のデメリット
https://nanten505.seesaa.net/article/202009article_8.html
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2022年09月18日
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