(NHK 番組ホームページより引用)
私たちの体内で暮らす100兆もの「腸内細菌」。いったい何者でどこから来たのか?その原点は、地球の黎明期を支配した細菌たちだ。無酸素をこよなく愛する彼らが、紆余曲折の末たどり着いた「腸」。
安住の地で様々な物質を生産することで、母体をコントロールする術を学んだ。やがて、ヒトの免疫を飼い慣らし、食の好みを決め、脳さえもあやつる力を持つまでになる。生態系をあやつる“旅する生命”腸内細菌を根源から妄想する。(引用終わり)
腸内細菌は体臭やフェロモンを作っている。そのフェロモンに惹かれる異性は腸内細菌が決定しているということか?
腸内細菌が、ヒトの食の好みや食べたいものを決定している。ヒトの食欲や報酬系の神経をコントロールして、腸内細菌が欲している食べ物をまんまとヒトは食べてしまうのだ。
腸内細菌が免疫細胞を誘導する。体に悪さをするウイルスや細菌が大腸に入り込むと、環境が激変して腸内細菌にも不利な状況になる。だから免疫細胞に刺激を与え、敵を攻撃させる。免疫細胞はもともと体内にいた腸内細菌には反応しない。
哺乳類の大腸には酸素がほとんどなく、酸素を嫌いな細菌にとってはエサが定期的に来るパラダイスな環境。大腸は原始の地球と同じ酸素のない世界。
5億年前には動物の腸内に腸内細菌が住み着いた。大腸の中で上皮細胞が酸素が入らないように働いているが、上皮細胞のエネルギーは腸内細菌が作っているという、不思議な相互作用だ。
彼らは人間以上にかしこくて、したたか。腸内細菌はヒトのために群れを成しているわけではない。あくまでも己のため。そのおこぼれによって私たち人間は生かされている。
これらの結論に至る実験やレポートがいくつも番組内で紹介されたが、長くなりそうなので割愛した。
母親の胎内で無菌状態で成長した赤ちゃんは、産み落とされてから、腸内細菌を体内に獲得する。母親の産道を通るときに乳酸菌のシャワーを飲むが、帝王切開で生まれた子は、母親のものと違う腸内細菌を持つ子がいるらしい。
生まれて三年以内で腸内細菌は人の体内に定着するという定説だが、ゲストの京都府立医科大学大学院教授の内藤裕二氏は、一年以内かもしれない、という仮説を持っていた。それを過ぎて大腸に腸内細菌を取り入れるのは非常に難しい。
赤ちゃんが手にするものを舐め捲る時期は離乳食も非常に大事だということ。色々な食材を、「人間の手」で料理して食べさせることが大事だと内藤氏は言う。
最後に、胃がんの原因のピロリ菌のように、大腸がんの原因となる菌を世界中の研究者が血眼になって探している。10年以内に見つかるだろう、と内藤氏(談)。発見のニュースを待ち望む。
過去記事、原始の神経細胞は腸の中から現れた!
https://nanten505.seesaa.net/article/202011article_6.html

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ラベル:テレビ