2020年09月24日

ネット学習のデメリット

 新潟市の小中学校のIT化、一人一台のiPadとインターネット環境の整備の計画が発表されています。インターネット学習の良い面だけが強調されがちですが、デメリットも親は理解していなくてはいけないと思っています。

 8月に放映されたルポルタージュ、NHK BS1スペシャル「コロナ危機 未来の選択」(ナオミ・クライン)を見ました。

 ショックドクトリンとは、2007年にカナダのナオミ・クライン(ジャーナリスト)が書いたベストセラーThe Shock Doctrineにある概念で、 「惨事便乗型資本主義」、「災害資本主義」、「火事場泥棒資本主義」 と呼ばれるものです。

 戦争や災害などで人々がショックで呆然としている間に企業が過激なまでの市場原理主義を導入し、民主主義の手続きをはぶき、徹底して利益追求を行います。表れ方は様々です。過去の例としてアメリカの 9.11 テロとイラク戦争,ハリケーン・カトリーナ、またスマトラ沖地震などをあげる専門家もいます。

 番組内に出演したNY在住のナオミ・クラインに8歳の息子さんがいらっしゃるので、NYのクオモ知事が進める教育と医療のリモート化を推進する委員会に危機感を持っていました。マイクロソフト、グーグル、ズームなどのIT企業が、ロックダウンの渦中に実験やデータ収集を行い、公教育への市場を作りあげて参入しようとしている。委員会のトップはグーグルのCEOで、企業に都合の良いように自治体を動かす。

 IT企業は今までも市場として教育に興味を示していましたが、一方でリモート教育に対する大きな批判もありました。それをコロナを口実に一気に拡大しようとしている。

 教育格差の拡大を懸念した声がありました。裕福な人はリアルで優秀なよい教師から私立の学校で学べるが、貧しい人は安価なリモート授業のみになってしまう。日本でもコロナ前から教育格差はありましたが、私立と公立の学校、塾と棲み分けされていた感があるのですが、更に格差が複雑になるのではないかと私も危惧しています。

 また、番組内で取り上げられていましたが、グーグルは2020年2月に、親の同意を得ずに子供たちの個人データ(位置情報やパスワード、検索履歴、連絡先など)を不正収集していたとニューメキシコ州から訴えられています。アメリカの中の国内企業とは言え、セキュリティの不安もデメリットとしてあるでしょう。

 私はインターネット教育を全て否定しているわけではありません。うちの高校生も塾で様々な科目の先生の講義の動画を見ています。自宅でも動画学習は可能です。要は対人とのバランスに配慮してもらいたい。外に連れ出し、自然体験教育にも時間を割いてほしい。親の一人として願うのです。


過去記事ですが、子どもの学力を向上させ才能を伸ばす7つの方法
https://nanten505.seesaa.net/article/202006article_1.html



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ラベル:子育て
posted by ひろん at 17:09| Comment(0) | TrackBack(0) | テレビ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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