精霊の守り人は上橋菜穂子氏による異世界ファンタジー小説です。 短槍使いの女用心棒、バルサが皇子チャグムと出会い、用心棒として彼を亡き者と謀る人間たちや精霊から守りながら旅をするストーリーです。 シーズン2は精霊の守り人から4年後、お尋ね者のバルサと破壊神を体に宿す少女アスラの旅と、皇太子チャグムが大国と周辺国の争いに巻き込まれていくのが同時進行で描かれています。
シーズン1の精霊の守り人の原作が大好きで、アニメも見ていたのですが、このシーズン2の神の守り人 蒼路の守り人 天と地の守り人は読んでいないので、一回目と二回目はストーリーと状況があまりにも理解できず、面白いとは思えませんでした。三回目を見てようやく理解できました。
上橋さんの原作本も、いきなり人物描写とともに舞台の地が変わることが多いのですが、それを何本も同時進行するのは無茶なのではないか。 原作を全く知らない人はついてこれるんだろうか。老婆心ながら心配してしまいます。 お金と時間をかけた大作なのにもったいない。
最初はシーズン2があまりにも面白くないので原作を読もうかとも思いましたが、時間もかかるし、経験上、本にドはまりする可能性が高いので、読むのは相当の覚悟が必要なのです。 原作未読のままこのままシリーズを見続けることにします。
正直に言うとこのドラマの舞台美術は好きではありません。 工夫・苦労をしているのは随所に感じますが、絵面が汚いというか。 ヒロインのバルサの相手役タンダでさえ、髭面だし衣装は貧乏クサイ。町中でも草原でも山の中でも平民はみな顔が泥だらけで服も粗末。 文化の違いは表現されてますけど、もう少し小奇麗に描きようがあるのではないか。
支配者が集う宮殿シーンは汚くはないですが、チャグムの新ヨゴ国宮殿が一番嫌い。衣装と美術がちぐはぐで違和感ありまくりです。中国っぽさと韓国っぽさをミックスさせているのは良いのですが、色使いに統一感がなさすぎ。 帝も二ノ妃も聖導士もみんな衣装も髪型も好きじゃないです。 ザコキャラはまだシンプルで良いのですが。変な模様の衣装やめてほしいです。 却って他の国(ロタやカンバル)の宮殿のほうがまともです。 なぜだ?
あと、食べ物がみんなマズそうに見えるのはなぜ? 調理スタッフ使ってるんでしょうか? 食事のシーンが多いのですが、美味しそうに見えるものが出てきた試しがない。 明らかにご馳走が出ているはずのシチュエーションですら不味そうに見えるのは本当に不思議。
いや、本当に細かいところのアラを言い出せばきりがないのです。 このドラマ、私は原作愛故に見ているのであって、原作の異世界スピンオフくらいの感覚で見るのが丁度良いのかもしれません。
文句ばかりではなんなので。 綾瀬はるかさん、アクションを体張ってがんばってますね。 登場した時はあまりにも顔も体も線が細いのではないか、と思いましたけど、シーズン2では体もトレーニングでしっかり作って迫力ある筋肉質になってきています。 4年後のチャグムとバルサの成長も見てほしい。と製作者が言っていて、なんだもっと早くわかってたらシーズン1のバルサをもっと好意的に見ていたのに。
シーズン1でのバルサは、やや細く声も高く、本来の綾瀬さんに近かった。 今シーズンは声も低く、メイクか?浅黒くなっていてよりバルサらしくなっています。 撮影は痣だらけになります。と綾瀬さんはインタビューで言っていました。今シーズンは森の中でアスラを奪って走っている馬から飛び降りるシーンも、スタントなしでこなしたとか。 相手役の真木よう子さんは明らかにスタント。 凄い女優さんですね。 綾瀬さんのアクションはこれからの回も楽しみです。
精霊の守り人は偕成社のこの版の挿絵が一番好きです。 文庫本は挿絵なしですが。