人生を変えてくれたもう一つのエッセイ 「 女が外に出るとき」 犬養道子著
かの有名な五・一五事件で暗殺された犬養毅首相のお孫さんの犬養道子氏のエッセイです。朝ドラ「とと姉ちゃん」の雑誌、暮らしの手帳に1965年ごろ掲載されていたもののエッセイ集のようです。 しかし、もう絶版されている模様。 女性が安心して家を空けて外に働きに出られるように、女性ならではの視点からよりよい暮らしのための提言を綴ったものです。
先に紹介した木村治美さんのエッセイにハマッた後、同様なラインナップの犬養さんのエッセイのトリコになったのです。一番最初に手にしたエッセイは「ラインの河辺 ドイツ便り」という本でした。犬養さんの幼少の頃からの長い海外生活の経験もあってか、日本を外から見る視点が明快で、文章もとても論理的で知性的。
高校生だった私には具体的な苦労や提言はあまりピンとくるものはありませんでしたが、この人みたいな社会人になって会社勤めをしたいなあ、と、うっとり憧れていました。 犬養さんと木村治美さんのエッセイが、私はヨーロッパへ行きたい。 海外とつながる仕事をしてみたい。 比較文化論を勉強してみたい。と強く思わせてくれました。それには高校生当時苦手な英語をなんとかせねば、と私の受験勉強の原動力になったのです。
絶版されているので図書館へ行けば借りることは可能なのですが、犬養さんのエッセイでは先の「ラインの河辺」「セーヌ左岸で」 「マーチン街日記」も同様におすすめです。
犬養さんの著書で、「日本人が外に出るとき」という本が1986年に出版されています。こちらは入手可能で海外赴任者へのアドバイス本のようです。「女が外に出るとき」と読み比べていないので内容の違いはわかりませんが。
こうして振り返ると、人生を変えてくれた本との出会いのタイミングはなんと貴重なものだったのか。おそらく出会った当時の二年後に出会っていても、私の人生は違ったものになっていたかもしれない。今この本に初めて出会ってもまた別の人生だったろう。 そう思うと、今10代の人達には、なんでもよいから手当たり次第に本を読みなさい。と言いたいです。
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ラベル:人生を変えてくれた本たち