私はイルカが大好き。東京都の御蔵島にドルフィンスイミングに行ったこともあります。新潟に来て、すっかりイルカと距離ができてしまいましたが。
イルカと話が可能か?という研究をしている、東海大学海洋学部教授の村山さん、という方のレポートが面白かったです。
千葉の鴨川シ―ワールドに、巨大な前面ガラス張りの水槽があり、これは言葉を教えやすい水槽だ、と直感した村山さんは、たまたまその水槽にすんでいた、シロイルカのナックに言葉を教え始めました。
まずは名詞から。フィン、バケツ、水中メガネ、長靴と、それを表す記号、イルカが発音しやすい呼びかた(フィンはピー、長靴はホウ?とか)をそれぞれ教えました。
すると、ひとつの関連するパターンを学習すると、ものと記号と呼びかたの、関連をを教えないのに学習できたといいます。
名詞の学習はわりとスムーズにいくのですが、今は他動詞を学ばせるのに悪戦苦闘しているとか。動詞は、動作をあらわすので、関連に気が付くのが難しい。
イルカの能力や認知は人間にすごく近い物があると、素人の私でも思っていますが、いずれイルカと話せる日が来るのでしょうか?
ナックに言葉を教える研究をして30年以上。もうお互い理解しあってるんでしょうね。と村山さんは、人に言われることもあるそうです。しかし、ナックは村山さんのことをしょっちゅう怒るし、嫌われている自覚があると村山さんはいいます。
水中で他のイルカやダイバーに、ナックが威嚇するのを何度も見ていますが、陸上にいる人に威嚇するのは村山さんだけです、と飼育員やトレーナーにも言われるそうです。
ナックが村山さんを見る目つきも違う?らしいです。ナック的には、自分だけに無茶な学習を強いる嫌な人間、というスタンスなのでしょうか?それとも、自分の意志がなかなか通じないことにイラだっているのでしょうか。
心が通じる、というのは相手のことを理解している、ということ。嫌われていても、そういう理解のされ方だ、と思えばなんともない、と村山さんが言い切っていました。
おもわず「お見事!」と心の中で歓声をあげました。「知れば知るほど嫌いになる」という言葉もありますし、人間同士でもそこまで割り切れればストレスは減りますね。嫌いな人とでも心が通じているのか、と目からウロコの言葉です。
イルカ大好き! 御蔵島の野生のイルカ
https://nanten505.seesaa.net/article/201810article_6.html
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ラベル:本