線虫の実験では、餌に出会うと、ほんの一瞬、ドーパミンがバッと出ます。そして、線虫は学習します。この時間、この場所で餌が食べられると。学習すべきもの、自分にとっていいことに出会うと、ドーパミンが出て、学習してくり返しなさい、と脳に指令が送られるのです。線虫に見られるのだから、かなり原始的な本能の部分ですね。
いいことで出てくるドーパミンですが、ドーパミンは「報酬そのもの」ではなく、報酬予測誤差に対して出るものらしいです。予測どおりの結果では面白くない、つまらない、ということですね。サプライズ、驚き、感動がないと出てこない。
余談ですが、先日記事にした依存症は、習慣化することにより、報酬予測誤差がなくてもドーパミンが出てしまう病気らしい。そして量(刺激)が足りないと禁断症状がでてしまうので、本人にとって我慢することが非常に辛くなるのです。
普通の人がドーパミンを出すためには、新しい刺激や初めての感動が必要です。
このドーパミンには、身体にとってポジティブな刺激ではなく、スリルや恐怖から出るものもあります。お化け屋敷やジェットコースターなどの類ですね。これが、人類が新しい物を開拓していく、フロンティアスピリットに繋がるのでは、という解釈が面白かったです。
何かの本で、20世紀はドーパミン社会と言われていました。スポーツ、映画、グルメ、小説、コミック、ゲームなどでサプライズと感動を求めてエンターテインメントがどんどん進化をしてきた。人間はドーパミンを出すことを常に求めてしまう。
私もたまには出したいのですが、自分にとって何か学習できる価値があるもので出したい。果たしてそれは何でしょうか? 模索の日々です。
過去記事ですが、依存症の恐ろしさ
https://nanten505.seesaa.net/article/202112article_6.html

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ラベル:テレビ