2021年08月22日

ヒューマニエンス「“腸内細菌” 見えない支配者たち」第2弾

 最新研究で明らかになりつつある、腸内細菌を利用したヒトの健康への道筋。薬や抗生物質に頼らない、副作用のない、古代からの人類の「宝」の腸内細菌の世界を紐解いていくドキュメンタリー。

“腸内細菌” ヒトを飛躍させる生命体
 人類の問題を解決してくれるのは「腸内細菌」!?そんな妄想が最新科学から見えてきた。例えばオリンピック選手から発見された腸内細菌。アスリートの成績を上げる研究が注目だ。そして難病治療への腸内細菌。

 他人の便を移植することで、潰瘍性大腸炎をはじめ、うつ病やパーキンソン病など脳疾患を改善する新戦略に期待が集まる。さらに地球規模の食料問題を解決する手段にも!腸内細菌を利用し健康パワーを高める未来を妄想する。(NHK 番組ホームページより)

 2019年にアメリカで、アスリートのパフォーマンスを高めるビフィズス菌、ベイロネラ・アティピカが発見された。持久力を高める理由が、筋肉の中に溜まった疲労物質、乳酸をこの腸内細菌がプロピオン酸に変換し、肝臓で再びエネルギー源(糖)に変換する。疲労物質をエネルギーに変えてしまうビフィズス菌だ。

 ビフィズス菌はプレッシャーやストレスなどメンタル面にもよい影響を与える。自閉症やうつ、アルツハイマーに効くビフィズス菌も発見されている。日本人が他の人種に比べ、多量に持っているという、ビフィズス菌の新たな効力が更に明らかになってほしい。

 潰瘍性大腸炎という病気は、腸内環境の95%近くがほぼ一種類の腸内細菌によって構成されるという腸内環境の異常な状態であることが明らかになってきた。健康な人間の腸内環境は、多種多様な腸内細菌を持つ。その健康な人の便から作られた便溶液を、患者の体内を抗生物質でリセットしたのち、内視鏡で注入するという治療法を実践する医師がいる。

 順天堂大 医学部消化器内科准教授の石川大氏は、7割は改善するが、ドナーと患者のマッチングで、「合わない」ケースもあるという。効果がない。またはうまくいってもすぐに元に戻ってしまう。

 うまくいくのは、患者にとって年齢差が10歳以内の兄弟姉妹間。石川氏は、年齢差があると、腸内環境が変化してしまう。また兄弟は腸内環境が完成すると言われる三歳くらいまでの環境が一緒なので、正常な腸内環境が似ているのではないか、という仮説を持っていた。

 冒頭の番組ホームページでの、地球規模の食料問題を解決する手段、というのは、魚の養殖で魚の腸内細菌を整えることで、魚の病気や大量死を防ぐ取り組みをしている研究者の話であった。

 京都府立医科大学大学院教授の内藤裕二氏は、京丹後市の健康調査をして、様々な年代の男女の腸内細菌を調べた。京丹後市は道路ができる前は、田畑や海の幸で自給自足して暮らしていたという地域だ。

 長寿の人は昔ながらの生活を長期間送ってきたため、豊かな腸内細菌が維持されているが、その子供世代、孫世代では腸内細菌が多数欠けてしまうのが調査で分かっている。将来に備えて日本人のベストな腸内細菌の保持をする必要があるのではないか、と内藤氏は言っていた。

 また、自分のベストな時代(10歳~15歳くらい?)を保存しておく、という方法もあるという。まだ一般的ではないだろうが、子供世代のために手軽にできる方法を確立してほしい。

前回記事、ヒューマニエンス「“腸内細菌” 見えない支配者たち」
https://nanten505.seesaa.net/article/202108article_4.html


過去記事、乳酸菌で豚の性格が変わる?
https://nanten505.seesaa.net/article/202011article_5.html



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2021年08月12日

ヒューマニエンス「“腸内細菌” 見えない支配者たち」

 私は腸に潜在意識があると仮説を持っていた。東洋医学で丹田は「気」の源。丹田の位置はへそ下五センチくらいの部位。その潜在意識の正体が、腸内細菌なのかも?このドキュメンタリーを見た後、私の新たな仮説となった。

(NHK 番組ホームページより引用)
 私たちの体内で暮らす100兆もの「腸内細菌」。いったい何者でどこから来たのか?その原点は、地球の黎明期を支配した細菌たちだ。無酸素をこよなく愛する彼らが、紆余曲折の末たどり着いた「腸」。

 安住の地で様々な物質を生産することで、母体をコントロールする術を学んだ。やがて、ヒトの免疫を飼い慣らし、食の好みを決め、脳さえもあやつる力を持つまでになる。生態系をあやつる“旅する生命”腸内細菌を根源から妄想する。(引用終わり)

 腸内細菌は体臭やフェロモンを作っている。そのフェロモンに惹かれる異性は腸内細菌が決定しているということか?

 腸内細菌が、ヒトの食の好みや食べたいものを決定している。ヒトの食欲や報酬系の神経をコントロールして、腸内細菌が欲している食べ物をまんまとヒトは食べてしまうのだ。

 腸内細菌が免疫細胞を誘導する。体に悪さをするウイルスや細菌が大腸に入り込むと、環境が激変して腸内細菌にも不利な状況になる。だから免疫細胞に刺激を与え、敵を攻撃させる。免疫細胞はもともと体内にいた腸内細菌には反応しない。

 哺乳類の大腸には酸素がほとんどなく、酸素を嫌いな細菌にとってはエサが定期的に来るパラダイスな環境。大腸は原始の地球と同じ酸素のない世界。

 5億年前には動物の腸内に腸内細菌が住み着いた。大腸の中で上皮細胞が酸素が入らないように働いているが、上皮細胞のエネルギーは腸内細菌が作っているという、不思議な相互作用だ。

 彼らは人間以上にかしこくて、したたか。腸内細菌はヒトのために群れを成しているわけではない。あくまでも己のため。そのおこぼれによって私たち人間は生かされている。

 これらの結論に至る実験やレポートがいくつも番組内で紹介されたが、長くなりそうなので割愛した。

 母親の胎内で無菌状態で成長した赤ちゃんは、産み落とされてから、腸内細菌を体内に獲得する。母親の産道を通るときに乳酸菌のシャワーを飲むが、帝王切開で生まれた子は、母親のものと違う腸内細菌を持つ子がいるらしい。

 生まれて三年以内で腸内細菌は人の体内に定着するという定説だが、ゲストの京都府立医科大学大学院教授の内藤裕二氏は、一年以内かもしれない、という仮説を持っていた。それを過ぎて大腸に腸内細菌を取り入れるのは非常に難しい。

 赤ちゃんが手にするものを舐め捲る時期は離乳食も非常に大事だということ。色々な食材を、「人間の手」で料理して食べさせることが大事だと内藤氏は言う。

 最後に、胃がんの原因のピロリ菌のように、大腸がんの原因となる菌を世界中の研究者が血眼になって探している。10年以内に見つかるだろう、と内藤氏(談)。発見のニュースを待ち望む。


過去記事、原始の神経細胞は腸の中から現れた!
https://nanten505.seesaa.net/article/202011article_6.html



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2021年08月07日

スケートボード 平野歩夢選手

 今回の東京オリンピックにはほとんど関心がありませんでしたが、唯一、「これだけは見なくては」と気合が入っていたのがスケートボード平野歩夢選手。

 新潟県村上市出身、ということで15歳のソチ五輪から見ていますが、成長する姿にすっかりファンになっていました。サムライというか、’求道者’に見える。

 ヘアスタイルは今はレゲエ(ドレッドヘア)だし、スノボもスケボもウエーイ系なスポーツなのに(思いっきり偏見の塊ですが)本当に不思議です。ゆっくり言葉を選びながら、訥々と話す話し方がよいですね。

 情熱大陸で、「クールと称賛されれば言うことなし。」と言っていました。確かに、スノボもスケボも欧米の選手達はテンション高めで喜怒哀楽がはっきりしていますが、その中でかなり控えめ。

 何故、東京大会にスケートボードで出るのか?子供の頃にやっていたとは言え、競技としては10年以上のブランク。

 この質問に、「スノボだけやっていれば楽というか簡単というか。やり方もわかるし、(ライバルの)誰が何をするのかもわかる。オリンピックの準備期間が4年。競技人生終了までずっとスノボの世界だけを繰り返していかなければいけないのがもったいない。東京で、オリンピックの正式種目にスケートボードが決まって、スルー出来なくなった。自分の成長のために挑戦したい。」

 情熱大陸で、出身地に二年前オープンした村上市スケートパークで、チビっ子たちに初講師でスケートボードを教えていた映像がありました。子どもたちに熱弁をふるっている姿がすごく楽しそうで、彼は本当にスケートボードが好きなんだなあと見ていて思いました。おそらくスケートボードへの愛が夏のオリンピック出場を決めた2つめの理由でしょう。

 番組の中では、東京大会の一年延期がもたらす苦悩も描いていました。二年近くがっちりスケボの練習をしていたら、スノーボードが犠牲になった時間が増えた事。スノボで失っているものがあるのが解かるので、モチベーションが保ちづらいと言っていました。 スノボで疲れた体でスケボの練習に向かうスイスでの合宿。

「やめるわけにはいかない。大変だから、難しいから、わかっているけど、(スケボを)諦められない自分がいる。続けていくことで何か変わるんじゃないか」人がやっていないことへの挑戦が今の自分。誰も見ていない景色を見てみたい。との番組ラストのナレーション。

 東京大会の目標は「決勝にすすむこと」だと公言していたらしいです。スノーボード金メダルのショーン・ホワイトですら、東京大会延期で断念したスケートボードの出場。

 結果、予選は14位で、上位8人の決勝には届きませんでした。試合後のインタビューの、「この場を楽しめた。プレッシャーもあまり感じず、自分の出来ることを出し切れた。熱く、楽しく、個性的なスケーターたちに刺激をもらえた。」と爽やかな笑顔でした。冬と違い、東京の夏の青空の下、半袖、軽装で飛んでいた平野選手を見られてとても嬉しかったです。彼だけが見ることのできた景色はどのようなものだったのでしょうか。

過去記事ですが、金メダリストたちの名言
https://nanten505.seesaa.net/article/201802article_6.html




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posted by ひろん at 14:52| Comment(0) | TrackBack(0) | テレビ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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