2021年07月28日

NHKドキュメンタリー ヒューマニエンス“肝臓” 毒と戦う勇者

 肝臓が多種多様な化学分解で、私たちの体に必要な蛋白の合成・栄養の貯蔵、有害物質の解毒・分解をし、食べ物の消化に必要な胆汁の合成・分泌をしています。

NHKドキュメンタリー ヒューマニエンス“肝臓” 毒と戦う勇者 HPより

 “食べるというキケン行為”に挑む臓器、それが「肝臓」だ。例えばジャガイモなど、野菜の多くはアルカノイドなどの自己防衛物質、いわば“毒”を作る。さらにお酒のアルコールは分解過程で猛毒をまき散らし、たんぱく質からは分解される度に大量の毒が発生。それらを24時間休みなく500以上の化学反応で処理しながら、栄養素を生成し続けるのが肝臓なのだ。あらゆる食の環境に絶えず適応・進化してきた肝臓の戦いを妄想する。

 この番組で面白かったのは、がん治療に効果があることが確認された、ケトン食です。
 
 ケトン食とは、極端に糖質を減らした食事のことです。通常、糖質は一日200g程度を摂取しますが、ケトン食では20gから30g。普通の人が自力で行うには非常にストイックな食生活になるため、苦しくなるので難しそうです。お米やパンや砂糖などの糖質をどうしても食べたくなる。

 糖質から生まれるブドウ糖が体を動かすエネルギーになるのですが、癌細胞もこのエネルギーを使って増殖します。糖質制限で飢餓状態になり、ブドウ糖が枯渇すると、肝臓でケトン体を生み出すスイッチが入る。ケトン体とは、肝臓で脂肪を燃料にして作り出される非常用エネルギーなのですが、これが癌のエサになりにくいので、癌治療に効果があるということです。

 普通の人が家庭でケトン食を実行するのはかなり難しそうですが、ケトン食療法のさらなる研究を期待します。

過去記事ですが、ドキュメンタリー ヒューマニエンス 「“死” 生命最大の発明」
https://nanten505.seesaa.net/article/202105article_10.html


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posted by ひろん at 19:58| Comment(0) | TrackBack(0) | テレビ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年07月23日

生き心地のよい町、徳島県旧海部町

(引用)なぜ、この町は自殺率が低いのか?その鍵となるのが、旧海部町の鬱(うつ)の受診率の高さ。完全とはいえないまでも、以下のうつの治療に対する条件を満たす環境の整備ができている、と考えられる。

 仮にうつと診断されても、自分や家族が心安らかに治療ができること、治療が終わったらまた快適な生活ができるという希望が持てる、それらが担保されて初めてうつの受診がなされるのである。

 ① 住民の排他的傾向が希薄であることが要因の一つではないか、いろんな人がいてもよい、いろんな人がいたほうがよい、という考え方が常に人々の態度で示されることが必要。

 ② 人物本位主義。自分ではどうしようもない出自や財力で一生が定まっていくのではない。人それぞれに異なる能力と、心根によって評価されているということを共有できている。
 
 ③ 人々のつながりがゆるやか。人への評価は良くも悪くも固定しない。ひとたび評判を落とせば、二度と浮上できないというレッテルづけを恐れることなく生きていける。

 ④ 一度目はこらえたる、「許してやる」という態度。挽回のチャンスがあると思える。やり直しができると信じられること。

かくして問題は地下へ潜らず、開示へと向かう。(引用終わり)

 うつへの偏見の少なさが受診率の高さにつながるのですが、偏見の少なさというのが様々な要因が絡み合い、一つ欠けていても成り立たないかもしれない。そこに、この町の奇跡があるのです。最も幸せから遠い国、モルドバと旧海部町を見ると、つくづく「集合意識」のレベルの違いが住む人々の運命を変えてしまう可能性があることを感じます。

 しかし、前回記事にした、自殺多発地帯の人がこの土地へ移り住んでも、恐らく長年培われた気質はすぐには変わらないでしょう。だからといって私たちが何もしなくていい理由にはなりません。私たちが一人一人、意識を良くするように心がけていかなければならない。難しいですが。


前回記事の、自殺多発地帯の地理的特性の影響
https://nanten505.seesaa.net/article/202107article_5.html


過去記事ですが、最も幸せから遠い国、モルドバ
https://nanten505.seesaa.net/article/202106article_7.html



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posted by ひろん at 18:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 健康 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年07月20日

自殺多発地帯の地理的特性の影響

 我慢強く、感情や欲望を抑えられる強い意志を持つを持つ人々が、私的な問題で「助けてくれ」となかなか言い出せない。このような人々の気質を、自殺多発地帯の気候、風土が育む。言われれば簡単に納得できますが、統計をとって立証した着眼点が素晴らしいです。

「生き心地のよい町」、自殺予防因子がコミュニティと住民気質に鍵があると直感した著者の、4年間にわたる現地調査とアンケートなどのデータ解析、町の精神科医の見解などをレポートしたこの本は、非常に示唆(しさ)に富み、得るものが大きい本でした。(以下引用ですが、難しい言い回しを当方で平易に言い換えた箇所がいくつかあります。)

 自殺多発地帯の地理的要因として、筆者は、標高が高く傾斜の強い山間部で、人口の少ない過疎地をあげています。病院や社会資源インフラへ遠い事、雪深い地域。足腰が弱ったり、運動ができない人は、屋内にいる時間が長くなり、運動不足になり、鬱の発生のリスクが高まります。

 厳しい自然環境が住民の生活活動に支障をきたし、孤立が強められ、忍耐心が植え付けられ、鬱が生じる。隣人に迷惑をかけることを極力避けようとし、我慢強く己の感情を他人にぶつけたりしない、これらは尊ばれる気質の美徳であることは否定できない。しかし、自殺対策という枠組みのなかで考えると、これらの美点が大きなリスクとなりえてしまう。(引用終わり)

 そもそも、誰かに助けを求めるという行為は無防備で危険な行為。偏見の目で見られて屈辱的な扱いを受けたり、コミニュティから排除され、孤立する可能性があること。助けを求められる環境を整備する難しさがあるのですね。

この本の私の最初の紹介です。

地球で学ぶ、魂の共通課題
https://nanten505.seesaa.net/article/202106article_6.html

生き心地の良い町 この自殺率の低さには理由(わけ)がある - 岡 檀
生き心地の良い町 この自殺率の低さには理由(わけ)がある - 岡 檀



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posted by ひろん at 20:06| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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