2020年11月26日

犯罪者は脳神経に一般人とは違う異常を持つのか?

 前回に引き続き、橘玲氏の「言ってはいけない」より、脳神経学と犯罪者の関係についてです。

 サイコパスとは、簡単に言うと良心のない人。愛情や罪悪感・共感能力がない人とも言えます。研究者や経営者にも多く見られます。このサイコパスと犯罪の関係を研究したのが神経犯罪学者 アメリカのペンシルベニア大教授のエイドリアン・レインです。神経犯罪学と呼ばれる分野を確立しました。

 3歳児にある一定の条件下で不快な音を聞かせると、「怖い」と思う子どもが大半の中で、恐怖を感じない子どもが一定数います。この子どもたちの十年後、二十年後を追っていくと、成人犯罪を導く因子として作用するのをレインはつきとめました。

 そこでレインは、犯罪を犯しても捕まらない賢いサイコパスと捕まってしまった愚かなサイコパスの集団のケースを集めました。愚かなサイコパスは刑務所にいますが、賢いサイコパスを集めた手腕が凄いです。

 彼らは正体が知れると転職を繰り返すのではないかと仮説をたて、職業紹介所で心理実験の被験者を募集しました。レインの研究がアメリカ厚生労働省から機密保持の認定を受けている(要はバレても捕まらない)のを知ると、賢いサイコパスたちは自分の犯した悪事を思う存分語ってくれたそうです。

 その結果、賢いサイコパスたちは普通の人と同じ自律神経の反応を持っていた。「怖い」と感じるのです。しかし実行機能(計画、注意、認知の柔軟性など)は一般人よりはるかに高い。企業経営者などに多いと言われるサイコパスですが、なぜ犯罪に走ってしまったか?

 彼らの多くは養子に出されたり、孤児院で育ったり、幼児期の環境が悪かった。もう一つはストレスを与えられると一気に心拍数が上がる(刺激が快感になる)快感を求めて心拍数を急上昇させる経験を何度も求めてしまうのか?

 この研究ははじまったばかりです。サイコパスが遺伝がもたらすものか環境か、それとも両方か?も分かっていません。研究が進むのを期待します。

前回記事ですが、「言ってはいけない」より、親よりも友だちの世界のルールを優先させることが子どもの本性
https://nanten505.seesaa.net/article/202011article_7.html

言ってはいけない―残酷すぎる真実―(新潮新書) - 橘 玲
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ラベル:ひとりごと
posted by ひろん at 12:50| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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