2016年11月30日

町工場職人の珠玉の名言たち

 ”つまらない仕事というものはない。仕事をつまらなくする人間がいるだけである。 仕事が味気ないのではない。味気なく仕事をするから、楽しくないだけである。” 東京大田区の町工場の旋盤工50年の作家、小関智弘(こせきともひろ)氏の著作、「ものづくりに生きる」は珠玉の名言、至言の宝庫です。

  小関氏自身の自伝と、町工場で働くたくさんの職人たちの生きる姿と、ものをつくる喜びと働くことの意味が心を込めてエッセイ風に描かれています。 1999年初版。小関氏は1933年生まれ。中学校の図書だよりで紹介されていた本です。 もともと若い人たち向けに工場でものづくりをする人達の姿を伝えてほしいと書かれた岩波ジュニア文庫ですが、大人が読んでもしみじみとした味わいがあります。 
 
                             引用 

  機械がどんなに進歩したって人間の手と頭こそが最高の制御装置なんだ。そうでなければ人間なんて木の枝にあの見事な巣を張る一匹の蜘蛛にも劣るじゃないですか。 

  つまらない仕事というものはない。仕事をつまらなくする人間がいるだけである。 仕事が味気ないのではない。味気なく仕事をするから、楽しくないだけである。
        
   どうせ一日、同じ8時間働くんなら、ふてくされてやってるより、楽しく働いたほうがいいに決まってるじゃないですか。
           

  最初の言葉は、小関氏の座右の銘だそうです。 工場の中の機械や稼働の様子などは専門用語が飛び交い、素人にはイメージできないものもあってちょっと読みづらいのですが、過ぎし日の昭和のノスタルジックなのんびりとした町工場の風景や、コンピューター制御の機械の登場で去らねばならなくなる職人の悲哀なども描かれています。 


 小関氏自身も見習工から始まって旋盤工になり二十数年、44歳の時、親会社の合併で工場の閉鎖のため職を失い、たいへん苦労して最新型の機械を学んだご苦労が淡々と描かれています。1970年代、当時は素人がコンピューターの制御の機械で部品を作るプログラムを自分で書かなければならなかったというお話が描かれていてえらく驚きました。


  若者向けの著作なので、全体的に明るく昭和の町工場史が1999年当時まで綴られています。  職人(匠)たちの言葉は味わい深い名言・至言がたくさんありました。




ものづくりに生きる (岩波ジュニア新書)
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小関 智弘

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2016年11月26日

10代はじめに出会った”因果の法則”

 小学校高学年だったか、中学生に出会ったか思い出せないのですが、この本はなぜか家にありました。 因果応報、原因があるから結果がある。 悪いことをすれば、その業は自分の現世または、子孫に引き継がれる。 この本を10代はじめに読んで、正直に、誠実に 堅実に、お天道さまに顔向けできるように生きようという私の今までの生き方の姿勢につながったのです。 

 カルマ(業)の法則 五島勉 著 

 ノストラダムスの大予言で有名な五島勉さんの著書です。 宇宙人やUFOなどの、いわゆる”とんでも本”の著作が多い方ですが、 この本もとんでも本の範疇に入っているのでしょうか。 光文社のソフトカバーの親書のカッパ・ブックスでした。

 親の因果が子に報い、親の仇を子供が討つ話や、戦国時代の血で血を洗うお家騒動の二代後、三代後の子孫の受けた悲劇や大奥やら城主の確執の話がいくつも詳しく書いてありました。史実から後からいくらでも理由付けは可能なんですけど、本当に原因が先祖の、あるいは自らの業?のせいかどうか、の科学的証明はまず不可能だったりするんですが。 

 と今になってはツッコミどころ満載なんですが、子供心に人間の欲深さとか弱さ、業の引き起こす恐ろしい結果に戦慄していました。 でも今でも、科学的証明ができないだけで、本当に因果応報の法則がないとも言い切れないのではないかとも思っています。

 しかしこの本はもう手に入らないようで、似たような本を探していました。 因果応報という考え方は、ブッダも説いているので、見つけたのが

 運命を切り開く因果の法則 伊藤健太郎 著

 著者は、なぜ生きる、親鸞聖人を学ぶ などの仏教関係の著書がある、哲学者の方です。 カルマの法則よりかなりソフトに仏教(ブッダの教え)や西洋哲学、古代インド思想などを解説してくれています。 まあ、誰誰がこうこう言っている、ということの羅列といった感じでしょうか。 でも、科学的証明は五島氏の著書同様できないわけで、哲学の限界も感じます。 私はソフィーの選択などの哲学本を結構好きなんでこの本も興味深いですが、そうでない方が読んでも退屈かもしれません。

 例えば、善悪について論じているのに、何が善か何が悪かわからなくなるのは一貫した判断基準を持たないから、と言い切ってしまうために、せっかくテロリストの例を用いて問題提起しているのに余計読者が混乱する結果になっています。続くブッダの教えは善とは何かという話なので、悪とは何かという設問の回答ははぐらかされたままです。 こういった未消化なモヤモヤが生まれがちな本ではあります。

 私自身は善悪なんて立場が入れ替われば簡単に善悪も入れ替わるものだ、と自分の中で結論づけていますからモヤモヤは起こらないのですが。 テロリストだって信念に基づいて行動しているのでしょうから。

 こういった未消化なモヤモヤも含めて、この本は子供(中1男子)に読ませたいと思っています。 私が読んだこの年ごろに読むことで、冒頭の、正直に、誠実に 堅実に、お天道さまに顔向けできるように生きていってほしいと願うからです。

 たぶんこんな感じの話は一般受けしないんだろうな、アクセスがさらにガクッと減って悲しいんだろうな。と思っていますが、伊藤さんの因果の法則の本の中に、他人の評価に一喜一憂しても仕方がない。 試験、スポーツ、仕事の成果、表面の結果のみで判定するのが人間社会の特徴なのだから、道理に従って、種まきを最も重視すべきでしょう。 とあります。慰めてもらっているようです。




 
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2016年11月23日

私の家事本1位 「少しの手間できれいに暮らす」 続き

 ○少しの工夫で食事が豊かになる

 というコーナーの、献立選択シートの作成。メニューと材料を列記するだけという簡単なシートですが、私は結構レパートリーが多いのでエクセルで作りました。 当時の私は、大人4人と赤ちゃん1人というまあ大人数とは言えない家族構成だったのですが、田舎のだだっ広い台所は動線も何も考えられていない台所で、実家のコンパクトな台所で作るものと同じ量とメニューがプラス30分かかってすごくイライラしていました。 この本のおかげで、動線を考え、冷蔵庫へ行く回数を極力減らす、ワゴンを買って食器の移動をまとめてする等変えました。 献立選択シートのおかげで、好き嫌いの多い義家族のための買い物とメニュー決めが随分楽になったものです。 選択シートは子供が保育園に行くまで三年くらい使っていたでしょうか。 今は使っていません。

 献立計画で、一か月(または二週間)プラン 二か月(または一か月)プラン 二か月プランを毎回使いまわすというアイデアにはもうびっくり。さすがアメリカ人ですね。 確かに献立を考えるのは一生に一度で済みます。日本人のほとんどの人はこんなプランを使わないと思いますが。 私は成り行きまかせプランです。

 ○家族のものと上手に付き合う

 収納・整理術のモノとの付き合い方、この本で教わったことは私の整理のベースになりました。4つの箱方式という考え方は、 整理するときは4つの箱を用意して、①この場所に置くべきではないもの ② この家に置くべきではないもの ③処分を決めかねるもの ④ゴミ と分類します。これは本当に必要? 最後に使ったのはいつ? こんなにたくさん使うの? この本の通りいつも自問自答してます。 私は整理整頓べたなので、なるべくモノを増やさないようにしてはいるのですが。

 ○少しの計画で、たくさんのことをする 

スケジューリング、優先順位、ToDoリスト、データベースの充実と、今や仕事では当たり前の概念ですが、家事にも合理的な計画が必要なのですね。 効率的な考え方と進め方を指南してくれています。 憧れの仕事や目標を自分の予定表に入れる。 その時は大型プロジェクトなら、それをやり遂げるのに必要な”一口サイズ”の作業を順番に並べましょう。 一つのステップを一日で終えて達成感を得ましょう。 などなど。

 なかなかこの本の通り77の整理術全てできませんが、できそうなものから、簡単なものからでも始められることはたくさんありました。

私の家事本ナンバー1 「少しの手間できれいに暮らす」 パート1はこちらです↓
https://nanten505.seesaa.net/article/201611article_5.html
 

おまけなんですが、習慣、という言葉で思い出した、私の大好きな名言をご紹介します。

思いをまき、行いを刈り取る。
行いをまき、習慣を刈り取る。
習慣をまき、人格を刈り取る。
人格をまき、運命を刈り取る。

-サミュエル・スマイルズ:作家/医者(英)1812年生

どうせ蒔くなら、悪い種ではなく、いい種を蒔きたいものです。 
でも人間だもの。バイオリズムが低い時だってあります。 よくない(ネガティブな)思いを抱く時だってあるでしょう。 そんな時でも、いい(ポジティブな)思いと両方持てたらよいですね。 なんか脱線しました。



少しの手間できれいに暮らす―あなたを変える77の生活整理術
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